営業をやっているとお客様と交渉する場面はたくさんあると思います。
交渉が上手くいけばあの案件は受注出来たのに…。
なんて悔しい思いをしたことはありませんか?
この記事では営業パーソンが交渉力を上げるコツを解説しています!
あらゆる場面で活用できるので参考になれば嬉しいです!
では目次をどうぞ。
交渉力とは合意形成力
交渉力とは、「会話を通じてお互い納得できる妥協点にたどりつくスキル」のことです。
合意形成力とも言えます。
営業でいえば、より有利な条件で契約してもらう人が「交渉力の高い営業」と言えるでしょう。
しかし相手が交渉上手な人だとある程度こちらが不利な条件を飲まざるを得ないかも知れません。
交渉力が高い営業は不利な条件を提示されてもWin-Winな関係に持っていける人だと思います。
なぜ営業で交渉力が必要なのか
営業パーソンが交渉力を磨く理由は5つ考えられます。
- 値引き交渉されるから
- あと一歩で受注できるという状況があるから
- どんな営業でもクレームが起こり得るから
- 競合他社と比較されるから
- 年収アップの社内交渉にも使えるから
【理由1】値引き交渉されるから
営業をやっているとお客様からネゴシエーション(価格交渉)を受けることもしばしばあります。
交渉力が高ければ会社の利益を守りながら契約を進められるでしょう。
ネゴを回避する方法としては別記事でも解説していますのでもし良かったら参考にして下しさい!
【理由2】あと一歩で受注できるギリギリの状況があるから
交渉で営業側が契約条件などを譲歩することもありますが、
その譲歩の線引きが甘いと交渉決裂となることもあります。
お客様がOKを出すラインがどこにあるのか?交渉力を身に付けて的確に把握出来るようにしないといけません。
【理由3】どんな営業でもクレームが起こり得るから
どんなに優れた商品やサービスでも、思ったような効果を発揮できずにクレームになることも有り得ます。
そうならないように提案を進めることも大切ですが、予想外のことが起こるのがビジネスです。
危機的状況こそ交渉力が非常に重要になります。
【理由4】競合他社と比較されるから
競合も日々サービスを強化していこうと企業努力しています。
お客様に比較されたときに「御社はこんなサービス付いてないの?」など言われたときに、自社もサービスを強化するか、それとも別の部分でメリットを強調するか、などどう交渉するかで受注できるかが分かれてきます。
【理由5】年収アップの社内交渉にも使えるから
これは営業活動とは少し視点が変わりますが、自身のキャリアアップや給与条件を上げるのに交渉力を活かすことも出来ます。
営業は数字で実力を表せる職種なので、ぜひ自分の市場価値を高めるためにも交渉力を磨いていきましょう!
交渉力がある営業の特徴
では、交渉力が高いなと感じる営業の特徴は何なのか?と言うと、3つ挙げてみます!
- 相手の本音を引き出せる
- 相手の立場を考える
- お互いに歩み寄れる
【特徴1】相手の本音を引き出せる
「本音と建前」なんて言われるように、人は自分の本音とは真逆のことを言ったりするものです。
「商品のここが嫌」と言って営業の提案を断る人なんていませんよね?
「見送ることに致しました」と丁寧に断ってホントの理由を教えてくれない場合もあります。
交渉の際はやはり相手の「本音」を知りたいものです。
「ホントはどう思っているのか?」を引き出せる営業は交渉力の高い人と言えます。
【特徴2】相手の立場を考える
相手の立場や気持ちに配慮出来る人は交渉力の高い営業です。
例えば、提案は良いと思っているが、社長が競合企業と昔から仲が良いからあまり強く社内で進められない、などの複雑な状況ではこちらの提案をゴリ押ししても話は進みません。
相手の置かれた立場や気持ちを察してどうやったら解決できるのか?考えられる営業は交渉力が高いです。
【特徴3】お互いに歩み寄れる
相手の本音を引き出し、お互いが自己開示した状況で歩み寄れば交渉は前に進みます。
自分の主張を押し付ける人は交渉が上手いとは言えません。
歩み寄る気持ちを持つ人は交渉力の高い人です。
営業の交渉力を上げる5つのステップ
では、交渉力を磨くコツは?ということで5つ挙げます!
- 相手を知る(共感マップ)
- 相手の本当の課題を理解する
- 相手が絶対に譲れない点を理解する
- 交渉の材料を用意する(複数提案)
- 人は感情で動き理屈で正当化する
【ステップ1】相手を知る(共感マップ)

まずは相手を知るということで、情報を集めましょう。
集めた情報を図のように共感マップにまとめてみます。
共感マップは顧客の置かれている状況や感情を理解するために使います。
相手のことをイメージしたりヒアリングしたりして普段どんなことを感じてるか整理してみましょう。
交渉の進め方を考えるときにイメージがしやすくなります!
【ステップ2】相手の本当の課題を理解する
次に、共感マップのなかで痛みを与えるもの(本当の課題)を考えましょう。
例えば、お客様の課題が「コストを削減する」だとして、言っていることが「新規事業を起こす」だとしたら矛盾していますよね。
その場合は、「見ているもの」「聞こえるもの」「考えていること」「感じていること」の4つから痛みを与えているものが何なのか、を考えてみましょう。
【ステップ3】相手が絶対に譲れない点を理解する
交渉をすると全ての条件が譲れない部分ではあると思いますが、
そのなかでも一番譲れないポイントが何か考えましょう。
これは交渉前に分かれば良いですが、交渉中に分かる場合もあると思います。
相手の譲れない点と自分たちが譲れない点とすり合わせしてみて、一部こちらが譲歩できないかも検討しましょう。
【ステップ4】交渉の材料を用意する(複数提案)
交渉の際は、相手の納得しないことも考慮して予め提案プランは複数作っておきましょう。
また、提案プランは自分たちに有利な条件の順番で出しましょう。
ドア・イン・ザ・フェイスという心理テクニックで、最初に高い要求を出してから低い要求を出すことでお客様も話を聴きやすくなります。
【ステップ5】人は感情で動き理屈で正当化する
私は理系出身なのでロジカルに説明すれば何でも売れるだろうと思っていました。
でも全然ロジカルに説明していないのに売上トップの営業なんてゴロゴロいます。
あるマーケティングセミナーで、人は感情で動き理屈で正当化する、という言葉を聴いてやっとそれが理解できたのです。
例えば、東京都内在住で車を買う人を考えてみましょう。
ロジカルにコスパを考えれば都内に住んでいて車なんて必要ありません。
しかし買う人というのは、カッコイイ車に乗りたい、自由に移動したい、など感情で買っているのです。
これは自己投資だ!とか家族と旅行に行くためだ!とか理屈は買った後にいくらでも付けられるのです。
営業が交渉するときも相手は理屈では動かないことを肝に銘じましょう。
この営業はなんとなく喋り方が嫌だとかそんな理由で決裂することも有り得ます。
営業交渉に使える心理学テクニック一覧
営業交渉に心理テクニックも取り入れると良いです!
代表的なもの3つ挙げてみます。
- 返報性原理
- ザイオンス効果
- 両面提示の法則
①返報性原理
返報性原理とは、相手から受けた施しに対して何かお返しをしなきゃ!と思う人間の心理です。無償で相手に何か出来ることがあれば積極的にやってみましょう。交渉事がスムーズに進むかも知れません。ただし、「〇〇してあげたじゃないですか~」など恩着せがましいセリフを言うのはNGです。
②ザイオンス効果
ザイオンス効果とは、何回も会ったり話したり接触回数が多い程、好意や信頼感が増す効果のことです。本格的な交渉に入る前に何回も接触していればある程度の関係値ができるので交渉も進めやすくなるでしょう。
③両面提示の法則
両面提示の法則とは、良い面と悪い面の両方を伝えることです。ちゃんとデメリットも伝えることで相手からの信頼感や好感度が高まる心理法則です。「それ先に言ってよ!」なんて言われないようにデメリットも提示しましょう。
交渉力を高めたい営業が読むべき書籍
私がこれまで読んだ交渉に関する書籍を載せておきますね!
もし読んだことが無ければぜひ参考にしてください!
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結論:交渉にもっとも重要なこと
ここまで交渉力をあげるためのコツを解説しましたが、
ひとことで何が重要かというと
「相手との信頼関係」です。
これが築けないことには相手は何も譲歩してくれませんし、交渉はまったく前に進まないでしょう。
心理テクニックを使う目的も結局は「信頼関係」を作るプロセスなのです。
信頼関係の作り方については別記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この交渉力編も追加で書き加えていくので、更新を楽しみにして頂ければと思います!
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