いつかは起業したいな…。と考えるもののなかなか実行できない人も多いと思います。
それはやはり「失敗したらどうしよう」という不安が強いからではないでしょうか。
この記事では
- 起業で苦労すること
- 失敗してしまう人の特徴
- 失敗しないための対策
について解説しています。
筆者も脱サラして上手くいかずに再就職した経験があり、起業の大変さは理解しています。
ぜひこの記事が参考になればと思います!
では目次をどうぞ。
起業で苦労することトップ3
日本政策金融公庫の「2021年度新規開業実態調査」によると、
開業して苦労したことトップ3は
- 資金繰り(資金調達)
- 顧客・販路の開拓(営業)
- 財務・税務・法務の知識不足(バックオフィス)
であることが分かります。
資金繰り(資金調達)
開業実態調査によると、57.6%の会社が資金繰りに苦労したと回答しています。開業してすぐに売上が立てば良いのですが、軌道に乗るまでは資金不足に陥りやすいです。その間、銀行借入などで凌ぐのですが、開業したての頃は融資が降りづらく苦しい局面が多いことが予想されます。
顧客・販路の開拓(営業)
次に44.8%の会社が顧客・販路の開拓に苦労したと回答しています。最初は営業を雇う余裕もないので社長自ら営業することもあるでしょう。実績も信用もない状態では営業も苦労することと思います。
財務・税務・法務の知識不足
3番目に38.4%の会社が財務・税務・法務に関する知識の不足に苦労したと回答しています。私は営業を経験したあと独立したので、財務・税務・法務など全く知らない状態でした。しかし独立をしたら知らないでは済まされません。事業を回しながら知識を吸収する必要があり、苦労することも多かったです。
起業に失敗する人の特徴8選
起業すると"どんなことで苦労するのか"解説しました!
次に、失敗する人の特徴を8つ挙げます!
私も全部当てはまってて今考えれば失敗して当然だなと思うことばかりです…。
- 資金計画ができていない
- やりたいことを優先している
- 顧客がそもそもいない
- 目的が不明確
- マネジメントができない
- リスクヘッジができない
- 他力本願
- 頼れる仲間がいない
起業に失敗する人①資金計画が出来ていない
資金計画とは、「事業に必要な資金の計算・調達方法・運用方法を決めること」です。起業に失敗する人は、この資金計画がどんぶり勘定のまま始めてしまい、想定外の出費で首が回らなくなります。あらゆる事態を想定して資金計画を立てることは非常に大切です。
起業に失敗する人②やりたいことを優先している
開業実態調査によると、開業の動機で一番多かったのが「自由に仕事がしたかった」が54.1%と半分以上の人が回答しています。しかし実際に起業すると、やりたくない仕事も一気に増えることに気付くと思います。改めて「何のために起業したいのか?」を考えるべきだと思います。
起業に失敗する人③顧客がそもそもいない
開業実態調査によると「自分の技術やアイデアを事業化したかった」という人が32.1%います。アイデアが浮かぶことは素晴らしいことですが、ビジネスは需要と供給です。需要がなければそもそもビジネスとして成立しません。自分の中では素晴らしいアイデアでもそもそも顧客がいるのか?を考える必要があります。
起業に失敗する人④起業の目的が不明確
起業すること自体が目的になってしまって、本来の「なぜ起業したいのか?」が不明確な人は失敗しやすいです。私も正直、起業したときは「今の仕事が辛いから辞めたい…」とか後ろ向きな動機がありました。目的が「今の環境から逃げたい」だったのです。それが悪いことではないと思いますが、起業するのであれば目的「誰に?どんな価値を?どうやって届けるか?なぜそれを届けたいのか?」を真剣に考えなければなりません。
起業に失敗する人⑤マネジメントが出来ない
マネジメントとは管理能力のことです。ビジネスのマネジメントは「ヒト・モノ・カネ」の管理です。ヒトの管理は、従業員の仕事の進捗管理、評価、労務管理など。モノは商品開発、生産管理、品質管理、在庫管理、などです。カネは会計面の仕事、予算作成、実績管理、PL/BS管理、税務、資金調達などです。これらが全ていまどうなっているのかトップが把握していなければなりません。
起業に失敗する人⑥リスクヘッジが出来ていない
もし借入をたくさんしなきゃいけないビジネスであればリスクは高めと言えるでしょう。リターンが出なかった場合に自分に降りかかるリスクを考えていない人は起業家というよりギャンブラーです。「もし〇〇だったら?」と最悪のケースを常に頭に入れて意思決定する必要があります。「なんとかなるでしょ~」は非常に危険です。
起業に失敗する人⑦他力本願な人
他力本願とは、自分で努力せずにひたすら他人の協力を頼ることです。起業すると仕事量が爆増するので協力を得ることは大切ですが、自分で行動しない起業家には人が付いてきません。私の周りの起業家でも、人をアゴで使う起業家は失敗していきました。うまくいっている起業家をみると、全て自分でこなすくらいの気持ちで誰よりも仕事していることが多いです。
起業に失敗する人⑧信頼できる仲間がいない
とは言え、全て自分で抱え込むといずれ破綻するので、頼れる仲間を持つことも大切な要素です。信頼できるかの基準は人それぞれですが、私としては、報酬や条件などお金ではなくて会社の理念や想いに共感してくれる人の方が信頼できるのではないかと思います。
起業で失敗しないために9つの対策を打つ!
これら失敗の原因について踏まえた上で、対策を立てましょう。
何が必要か9つに分けて解説します。
- 起業の動機を明確に
- 年収1~2年分の資金を確保
- 事業計画を立てる
- 会計知識を身につける
- 競合を調べ自社の優位性を分析する
- 共感してくれる仲間を探す
- マーケティングを学ぶ
- スモールスタートする
- 過去の成功体験を捨てて学び続ける
対策①起業の動機を明確にする
まずは起業の目的はしっかりと明確にしないといけません。「なんのために?なにを実現したいのか?それは起業じゃなきゃいけないのか?なぜそれをやりたいのか?なぜそれをやろうと思ったのか?」しっかりと言葉にして紙に書いて整理してみましょう。
対策②年収1~2年分の資金を確保する
開業実態調査によると開業時の自己資金の平均は282万円です。金融機関からの借入は平均803万です。リスクを低くしたければなるべく借入を減らして自己資金を多くした方が良いでしょう。私の感覚ですが年収の1~2年分は貯めた方がいいと思います。特に年収が高い人は、翌年の住民税が重くのしかかるので注意してください。住民税は課税所得×10%なので、年収1000万の人はざっくり60万かかります。自己資金282万あったとしても一気に220万まで減るのです。生活費も容赦なく貯蓄を減らしますから最低でも年収1年分はあった方が良いと思います。
対策③事業計画を立てる
起業の目的がしっかりできて資金も貯めたら事業計画を立てましょう。事業計画は、事業のコンセプト、市場規模、競合、自社の優位性、商品の概要、マーケティング戦略、販売戦略、財務計画、などをまとめたものです。事業計画が出来たら起業経験者や信頼できる人に見て貰いましょう。自分で作っていると視野が狭くなりがちです。一生懸命に作るほど計画に穴がないように思えてしまいます。第三者の意見を貰うことで見落としている点がないか確認しましょう。
対策④会計知識を身に付ける
開業リポートによると、会計管理を早い段階でしっかり行っている起業家は、起業前の計画と起業後1年目の売上のギャップが少ないことが分かっています。損益計算書、貸借対照表、を学んで早めに会計ソフトを導入するようにしましょう。月次決算している会社ほどさらにギャップが少ないので年度末決算だけでなく出来れば毎月の実績を管理するようにしましょう。
対策⑤競合を調べ自社の優位性を分析する
事業計画を立てる際にも競合を調べて優位性を考えると思いますが、競合も常に動いています。自社の優位性がキープできるように競合の動きはチェックしておきましょう。あのメルカリもフリル(現楽天ラクマ)という先行企業があったにも関わらず、いまはフリマアプリのトップになっています。それは徹底的に競合を分析してサービスを改善してきたからです。ビジネスは追い付け追い越せですから、起業後も競合が追随できないように改善していかないといけません。
対策⑥共感してくれる仲間を探す
起業初期のメンバーは慎重に選ばないといけません。仲が良い友達と起業する人もいますが、私の周りには途中で意見が衝突して分裂している人が多い印象です。報酬の分け前でもめたり、役割分担でもめたりなど理由は様々です。一緒に仕事していれば衝突はある程度避けられないと思うので、最低限、創業理念などに共感してくれる人と組みましょう。同じ目的・目標に向かう者同士であれば衝突しても関係修復は可能です。
対策⑦マーケティングを学ぶ
マーケティングと聞くと、”広告”をイメージする人が多いのではないでしょうか。
「現代経営学」の生みの親、ピーター・ドラッカーのこんな言葉があります。
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。
つまりマーケティングとは顧客を理解し顧客が欲するものを提供することであり、自ら販売することがなくても自然と売れる状態を目指しています。「顧客理解」を念頭に置いたマーケティングを学び、広告戦略を立てていきましょう。
対策⑧スモールスタートする
事業計画がどんなに素晴らしくても、マーケティングが入念になされていたとしても、結局はやってみないと分かりません。そこで、小さく事業を始められないか考えてみましょう。例えば、飲食店ですと、スペースマーケットなどで実店舗を持つ前にテストマーケティング的な感じで始めることも可能です。もし顧客の反応が良ければ実店舗を出すなど、リスクの低いスタートが切れます。
対策⑨過去の成功体験を捨て学び続ける
起業して最初から順調に進んだとしても2~3年に一回は危機が来ると思って油断しないようにしましょう。環境の変化が激しいため、過去の成功体験はいずれ通用しなくなります。直近ではコロナで多くの企業がダメージを受けました。ビジネスモデルそのものを転換しなきゃいけない会社もあったことでしょう。上手くいったやり方はいずれ使えなくなることを見越して新しいやり方を常に模索する必要があります。
起業に必要な知識は膨大にある
ここまで解説したことを全て知識として身に付けるのは正直とても大変です。会社は「セールス、マーケティング、経理財務、人事、総務、法務、経営管理」など色んな部署ごとに人を配置しています。人を雇うにしても、ある程度の実務を知ってないとマネジメントが出来ません。それらを学ぶだけでも相当な知識量なのがお分かりだと思います。
起業を成功させるには結局〇〇が大切
じゃあ世の中の起業家はすべてを兼ね備えたスーパービジネスマンなのかというと、そんなことはないと思います。自分が出来ないことはやはり人に任せています。結局、起業を成功させようと思ったら「人を動かす力」が一番重要だと思います。仕事をお願いする、お客様にプレゼンする、銀行に融資をお願いする、投資家を説得する、これら全て”人を動かして”います。この人のためなら一肌脱ごうじゃないか!と思って貰える起業家はとても強いです。逆に人を動かせないと全てを自分一人でやらなきゃいけないので、ただ忙しいだけになってしまいます。
〇〇を身に付けるには?
ではどうやって「人を動かす力」を身に付けるのか?これはゴールデンサークル理論を参考にしましょう。2009年にTEDでSimon Sinek氏が発表したプレゼンです。「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか?」を理論化したもので、WHY⇒HOW⇒WHATの順に伝えると共感を得ることが出来るというものです。
例えば、いまあなたがシステムエンジニアとして働いているとしましょう。
WHY・HOW・WHATを考えてみます。
- 何をやっているの?⇒「アプリを開発してる」WHAT
- どうやって?⇒「Javaを使って」HOW
- なぜそれをやってるの?⇒「…。仕事だから?」WHY
みたいな感じでWHYが明確でない人もいると思います。
しかし、優れたリーダーは「なぜ?」が明確でWHYから説明します。
- WHY⇒「〇〇を解決したい」
- HOW⇒「〇〇をすれば解決できる」
- WHAT⇒「だから私たちは〇〇を開発してる」
この順番で説明することで感性や感情に訴えることができ、共感を得られるのです。
ぜひ参考にしてみてください!
まとめ
起業に失敗する人の特徴、原因、対策を解説しました!
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