営業は「答えのない」仕事です。
人も経済も常に変化しているのでたくさんの課題にぶちあたります。
この課題を解決する思考法が仮説思考となります。
仮説思考はコンサル会社の思考法で、問題解決のプロたちが活用してきましたが、営業パーソンも仮説思考ができるように昨今求められています。
この記事では仮説思考について、具体的な方法を解説します!
筆者は、本業と副業合わせて10年以上営業をやってきました。
長く営業してきた中でたくさんの課題を向き合い解決してきました。
きっと読者の皆さんの参考になると思います!
では目次をどうぞ。
仮説検証(仮説思考)について
仮説検証(仮説思考)とは、「仮の結論を設定し、アクションを起こす」というサイクルを繰り返しながら最適な答えを導く思考法です。
仮説検証(仮説思考)の重要性
変化の激しい現代において、この仮説思考は非常に重要です。
例えば、SNSのトレンドを考えてみても、ここ10数年でFacebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、LINE、TikTok…など多様なサービスが生まれました。
顧客の趣味嗜好も激しく変化しており、何をすればビジネスが成功するという法則はないため、常に仮説思考を持って変化に対応しなければなりません。
仮説検証サイクルを回す6つのステップ
具体的に仮説思考(仮説検証)の方法は6つのステップに分かれます。
- ファクト(事実)に注目する
- 仮説(仮の結論)を立てる
- 仮説の背景にある理由を考える
- 仮説を検証するアクションを起こす
- 仮説が正しかったか検証する
- 新たな仮説を立てる
仮説検証サイクル①:ファクト(事実)に注目する
仮説を立てろと言われても、何もないところから結論は出てきませんので、
まずは、いま目の前で起こっているファクト(事実)に注目します。
例えば、
- 「A事業は売上が3年で50%上昇している」
- 「B事業は売上が3年で半減している」
などがファクトです。
ここから仮説を立てていきます。
仮説検証サイクル②:仮説(仮の結論)を立てる
次にファクトに対して、仮説(仮の結論)を出します。
上記の例で出せる結論はなんでしょう?
結論「B事業は撤退してA事業に注力する」
というのが仮の結論として立てられます。
仮の結論を出すときのポイントは、
「だからなに?」を繰り返してアクションに繋がる結論が出るまで考えることです。
例えば、
こんな感じでアクションに結びつくまで「だからなに?」を自問自答しましょう。
仮説検証サイクル③:仮説の背景にある理由を考える
上述の「だからなに?」を何回もしつこく繰り返すと、仮説の背景にある理由が自動的にでてくることが分かると思います。
図のように、仮説を立てることと背景の理由は表裏の関係にあることが分かります。
「仮説を立てる」⇒「背景の理由は?」はセットで考えましょう。
そのためには「だからなに?」をしっかりと繰り返します。
これがないと仮説が間違っていた時に、軌道修正がしにくくなります。
仮説検証サイクル④:仮説を検証するためにアクションを起こす
次にアクションを起こします。
アクションは「B事業は撤退してA事業に注力する」
ですが、ここで恐らく迷う人がいると思います。
「ホントにこの結論がベストなのか?」と。
「だからなに?」を繰り返し、背景の理由も考えながら仮の結論を出す訳ですが、どの時点で結論を出すのがいいのか迷うと思います。
基本的には、仮説は間違う可能性もある前提で考えましょう。
いまよりも状況が良くなるアクションであればその時点で実行に移します。
アクションに素早く移る方がよっぽど重要です。
その方が間違っていたらすぐ軌道修正することが出来ます。
仮説検証サイクル⑤:仮説が正しかったか検証する
アクションを実行したら仮説が正しかったのか検証しましょう。
仮の結論「B事業は撤退してA事業に注力する」
に対して、どうなったか?売り上げは?
検証すると新しいファクトが見つかったり、有力な情報が手に入ったりします。
素早くアクションを起こす重要性というのはこういった理由からです。
仮の結論を出すのに時間をかけても最終的にはやってみないと分かりません。
実行してどうだったか?次はどうするか?このスピードを速めた方が変化に対応できます。
仮説検証サイクル⑥:新たな仮説を立てる
仮説を立てて実行したら新たな仮説を立てましょう。
仮説検証の過程で新しい課題が見つかるかも知れません。
そのファクトに対しまた仮説を立てて実行する。
このサイクルを繰り返すことでベストな状態を目指します。
仮説検証サイクルを回す際の注意点
ここまで具体的なステップをご紹介しました!
次に仮説検証サイクルの注意点を解説します。
注意点その1:情報収集に時間をかけすぎない
仮説検証サイクル①のファクトに注目するという点で、情報収集に時間をかけすぎないようにしましょう。
情報はすぐ古くなりますし、データが歪んでいる可能性もあり、すべてをきれいに整えようとしてもきりがありません。
それよりも手元の情報から仮説・実行・検証しながら新しい情報も集めていく方がよっぽど効率的です。
注意点その2:深く掘り下げているか?
仮説を立てるときに「だからなに?」が深くなされているかも大切です。
これがないと行き当たりばったりなサイクルになってしまうので注意しましょう。
例えば上述の例で「だからなに?」をすっ飛ばして、もしB事業が一時的な落ち込みで実は今後も成長が見込める市場だったとしたらどうでしょう?
まったく的外れなアクションになりかねないのが分かると思います。
100歩譲って、最初の仮説は当てずっぽうでも、次のサイクルでは必ず「だからなに?」を深堀していきましょう。
そうすれば精度の高い結論にたどり着けます。
注意点その3:間違いを恐れてないか?
間違いを恐れて仮説がなかなか出てこないと時間が無駄に過ぎ去ってしまいます。
わざと間違えると言うと語弊がありますが、基本的に最初の仮説は間違えるものと思って早く結論を出しましょう。
営業に仮説検証サイクル活用する
仮説思考(仮説検証サイクル)は、あらゆる問題解決に活用できます。
ここでは、営業の中での活用例を紹介します!
活用例①営業組織内での仮説検証
営業部内で議論する際も仮説思考は役に立ちます。新規開拓、競合排除、既存客横展開、など壁にぶつかったときにも活かせるでしょう。
これら会社外での問題だけでなく、営業組織内のスキルのバラつきの改善なども仮説思考で改善できます。
私が会社員のときある営業マンの売上が他と比べて良くないことがありました。
色々とその営業マンの活動に注目すると、
「顧客の商品知識がない場合は成約率が高く、ある顧客は成約率が低い」
というファクトに気付きました。
「だからなに?」⇒「知識ある人からの反論処理ができていない」
「だからなに?」⇒「顧客の商品知識の有無をセグメント分けする」
「だからなに?」⇒「知識のある人のときは上司に同行させる」
仮の結論⇒「知識のある顧客には上司が同行する」
この仮説に基づいて検証してみたら成約率が上がりました。
もし成約率が変わらなければまた仮説検証を重ねる感じです。
活用例②課題解決型営業のための仮説検証
昨今の営業マンはこの課題解決型営業が求められています。
商品の差別化が年々難しくなっているので、顧客ヒアリングによって潜在的なニーズをあぶりだし解決策を提供していくのです。
ここでも顧客課題について仮説を立て、ヒアリングによって検証していくので仮説思考が活かされます。
ヒアリングのコツは別記事で解説していますのでご参考ください!
まとめ
仮説思考について具体的なサイクルについて解説しました!
どんな仕事にも課題は必ずあるのでぜひ参考になると嬉しいです! ぜひTwitterのフォローもお願いします!