営業はヒアリングを沢山しなさい!
と新人の営業の時はこのように指導されることも多いと思います。
しかし、
どうヒアリングすればいいんだろう?
ヒアリングするけど教えて貰えないし…
このような悩みはありませんか?
この記事では、営業ヒアリングのコツをまとめてみました!
ヒアリングは基本マインドと「型」を意識すれば誰でも出来るようになります。
記事の内容を参考に実践しましょう!
筆者は、本業と副業合わせて10年以上営業をやってきました。
営業トップも獲ったこともあり、きっと読者の皆さんの参考になると思います。
では、目次をどうぞ。
営業ヒアリングで重要なこと
まずはヒアリングする前の基本的なことから解説します!
型を覚える前に「大前提」として押さえないといけないポイントです。
何のための質問なのか?
まずは目的(ゴール)を明確にすることですが、
質問の目的は、
自分が聞きたいことを聞くのではなく、
「問題を解決するための回答を探す」
ことが本来の目的です。
ヒアリング力の高い人は、
相手さえも気づいていないような無意識レベルの悩みを掘り起こし、
それを一緒に解決出来る人です。
まずは、マインドセットとして、
「相手の悩み、問題を解決しよう」とする姿勢を持ちましょう。
質問攻めは脳にストレスを与える
もっと深堀して聞くんだ!と良く言われますが、
ただの尋問になってしまうので注意が必要です。
特に「なぜ?」という言葉は脳を刺激する言葉ですが、
連発すると相手にとって非常にストレスです。
「どのような経緯で?」「どんな背景があったんですか?」
など言い方を変えてみましょう。
ヒアリングを成功させるコツ
ヒアリングを成功させるコツは3つあります。
- 相槌を打つ
- 評論家にならない
- 質問は1つずつ
①相槌を打つ
これは「話をちゃんと聞いてますよ」のサインなので、
必ず相槌して下さい!
相手の目を見て発言の一区切りごとに相槌を打つのが良いです。
沢山相槌すると逆に聞き流しているように見えますので注意しましょう。
②評論家にならない
質問への回答について、
「それは違う」とか「自分はこう思う」など、
自分の意見は言わないようにしましょう!
相手は質問を受けたから答えたのであって、
評論家に相談している訳ではないのです。
まず相手の言葉を全て受け入れましょう!
最後まで聴くことが重要です。
③質問は1つずつ
質問は必ず1つずつしましょう。
テレビの記者会見などで、質問が沢山来て、
「2番目の質問はなんでしたか?」
と記者に聞いているシーンとか見たことないですか?
頭の回転が速い人は、質問が沢山来ても対処しますが、
殆どの人は対処しきれませんし
不快に思われる可能性が高いので注意が必要です。
これら3つのコツを抑えたうえで、
質問をしても答えて貰えない営業パーソンは、
まだ「信頼関係が出来ていない」と思って下さい。
お客様の立場になれば、
営業マンが質問をしてくる状況下だけで警戒します。
「強引な営業をしてこないかな?」
「社内の事情をこの人に喋って本当に大丈夫?」
関係値が薄いほど、このような不安を抱えているのです。
信頼関係の構築方法については別記事で解説していますので、
良かったら参考にしてください。
良い質問と悪い質問
良い質問とは、相手がハッとするような気付きを促す質問です。
良い質問の特徴は7つあります。
- 本当に手に入れたいものを聞く質問
- 大儀/ミッションを聞く質問
- 言葉の意図を確認する質問
- 反対のことを聞く質問
- 常識を疑う質問
- 立場を置き換える質問
- 過去/現在/未来について聞く質問
逆に悪い質問とは、
なんでそんなこと聞くの?と思わせるようなデリカシーのない質問です。
悪い質問の特徴としては、
- プライバシーに踏み込む質問
- 価値観を押し付けるような質問
- 相手を委縮させるような質問
などが挙げられます。
良い質問は意識しないと出来るようにならないのでしっかり押さえましょう!
こちらの質問の意図が相手に伝わらないケースもあるから、質問は丁寧に投げかけましょうね!
営業ヒアリングの型を覚える
ここまでは営業ヒアリングのマインドセットと
良い質問、悪い質問など基本的なことを解説しました!
次に、実践で活用する型を頭に入れておきましょう。
これらは「売上を上げるため」に必要な型でもあります。
ケースバイケースで型にハマらないこともありますが、 参考にしましょう!
営業ヒアリングの基本型:6W4H
上記の図は、お客様が「売上が落ちている」ことに関して課題感を感じている場合を想定したヒアリングです。詳しい状況をヒアリングしているのが分かると思います。
この6W4Hが基本になるのでしっかり押さえましょう!
- Why 原因を確認する 「なぜ?」
- What 対象を確認する 「それは何?」
- Who 主語を確認する 「誰が?」
- Whom 対象者を確認する 「誰に対して?」
- When 時間軸を確認する 「いつ?」
- Where 場所を確認する 「どこで?」
- How プロセスを確認する 「どうやって?」
- How many 規模を確認する 「いくつ(数)で?」
- How long 期間を確認する 「何日かかる?」
- How much 予算を確認する 「いくらで?」
営業ヒアリングの型①:SPIN
- S…Situation(状況質問)
- P…Problem(問題質問)
- I…Implication(示唆質問)
- N…Need payoff(解決質問)
SPINは主にBtoBの営業でよく活用されるヒアリングの型です。
- S(状況質問)
- P(問題質問)
- I(示唆質問)
- N(解決質問)
SPINは30年以上前から提唱された手法で現代でも使えます。しかし、今は商品を買う前にネットで情報を調べます。なので既に課題を理解して自分で解決策を模索している可能性が高いのです。
なのでS(状況質問)の中に、「既にいくつか商品を検討しているか?」を聞くようにしています。
自分でリサーチしている方でしたら、P(問題)I(示唆)N(解決)の質問にたいして「そんなの分かってるよ!」という感じになるかも知れません。型に拘ると関係値が上手く作れないので注意しましょう!
相手が"すでに知っていること"に注意する
営業ヒアリングの型②:BANT
- B…Budget(予算)
- A…Authority(決裁権)
- N…Needs(必要性)
- T…Timeframe(導入時期)
BANTは営業初心者の方は最初に教えられる基本型かも知れません。
BANTもSPIN同様BtoBで主に使われる型です。
- B(予算)
- A(決裁権)
- N(必要性)
- T(導入時期)
営業ヒアリングの型③:MEDDIC
- M…Metrics(測定指標)
- E…Economic Buyer(決裁権限者)
- D…Decision Criteria(意思決定基準)
- D…Decision Process(意思決定プロセス)
- I…Identify Pain(課題確認)
- C…Champion(擁護者)
MEDDICもBtoBで活用できる型になります。
MEDDICは案件の受注予測の精度が必要な際によく使われます。
特に数億円などの大規模案件の営業などは、失注すると大損失ですから、より細かく慎重にヒアリングする必要があります。
- M(測定指標)
- E(決裁権者)
- D(意思決定基準)
- D(意思決定プロセス)
- I(課題確認)
- C(擁護者)
私が大手製造業を担当したとき、ある若手の方の技術・知識が高く、この方の言うことが全部承認されるという状況でした。その方に商品の良さが伝わったことで営業がやりやすくなり、C(擁護者)の重要性が分かりましたね。
営業ヒアリングの型④:CHAMP
- CH…Challenges(課題)
- A…Authority(決裁権)
- M…Money(費用)
- P…Prioritization(優先順位)
CHAMP(チャンプ)は、CH「課題」が最初にヒアリング対象にしているところが特徴で、全ての顧客は課題を解決するために商品を購入する、という考えに基づいています。
- CH(課題)
- A(決裁権)
- M(費用)
- P(優先順位)
営業ヒアリングの型⑤:ANUM
- A…Authority(決裁権)
- N…Need(必要性)
- U…Urgency(切迫性)
- M…Money(費用)
ANUMは、BANTに近いですが、N(必要性)が2番目に優先されています。
またBANTにはないU(切迫性)が入っており、これは先述のCHAMPのPに近い意味合いです。
営業ヒアリングの型⑥:FAINT
- F…Funds(資金)
- A…Authority(決裁権)
- I…Interest(関心)
- N…Need(必要性)
- T…Timing(時期)
FAINT(ファイント)は、RAIN Groupが提唱している手法で、
F(資金)が特徴的です。
予算を持っているか、あるいは確保してもらうかどうかではなく、
最初から資金のある組織、バイヤーを狙えということです。
そのあとA(決裁権)で権限を持つ人を特定し、関心を持たせます。
そしてN(必要性)で顕在化されたニーズ、潜在化されたニーズ双方を明らかにしていきます。
その後、T(時期)で購入意向と意思決定プロセスなどを確認していきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
フレームワークは完ぺきではありませんが、
押さえておくべきポイントとして頭に入れておきましょう!
このヒアリング編も少しずつ加筆していきますので、楽しみにして下さい。
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