労働生産性という言葉があるように、
企業にとって限られた時間で最大の成果を出すことは非常に重要です。
製造業であれば、1時間あたり100個製造できる会社と200個製造できる会社では売上が2倍変わります。
営業職も1時間あたりに販売出来る個数が多ければ多いほど生産性の高い営業パーソンと言えるでしょう。
時間をいかに効率よく活用するか、いかに必要な時間を捻出するか、
これらをコントロールする力がタイムマネジメント力です。
タイムマネジメント力の高い人はムダな仕事を省き、
人生を豊かに過ごすことが出来るでしょう。
この記事では、営業パーソンにとってのタイムマネジメントのコツを解説しています。
筆者は、本業と副業合わせて10年以上営業をやってきました。その間、営業トップも獲ったこともあり、きっと読者の皆さんの参考になると思います。
では目次をどうぞ。
なぜタイムマネジメントが必要なの?
公益財団法人日本生産性本部によると、
2020年の日本人1人当たり労働生産性は、
OECD加盟38カ国中28位と、
先進国の中では決して高い水準ではありません。
しかも生産性上昇率も2016年~2020年で-1.6%と、
生産性を上げるどころか下がっています。
労働生産性=GDP/(就業者数×労働時間)で計算されており、
労働時間をいかに少なくしながらGDPを維持するかが大切です。
この労働時間を見直し、効率化を考えるためにも
タイムマネジメントは非常に重要なスキルとなります。
営業職に必須のタイムマネジメントスキルとは?
営業職のタイムマネジメントで重要な考え方としては、
売上に直結するタスクから終わらせる
ということです。
そのタイムマネジメントのコツは大きく7つにまとめています!
タイムマネジメントのコツ①タスクを全てノートに書く
まずは発生したタスクは忘れないうちにノートに書きましょう。
筆者の場合は手帳に書き込んでいました。
手帳やノートに書く際に
- タスク発生日
- タスク完了日(締切日)
- 完了に必要な時間(目安)
を書きましょう。
こうすることで、
いつまでに何をやらないといけないのか
を明確にすることが出来ます。
タイムマネジメントのコツ②優先順位を決める
タスクが明らかになったら
次に優先順位付けをします。
営業職にとっての優先順位は、
「売上への直結度」によって変わります。
例えば、下記の2社の顧客に対して
どちらからタスクを処理するべきでしょうか?
- 顧客A「承認を取るから正式見積をください」
-
発生タスクA「見積作成と提出」
- 顧客B「一度打ち合わせ出来ませんか?」
-
発生タスクB「日程調整の連絡」
この場合、Aの方がより売上に近いことが分かります。
もちろんBを蔑ろにして良い訳ではありません。
Aを素早く処理しBも迅速に対応しなければなりません。
処理の順番としてAを先にした方がより効率的ということです。
タイムマネジメントのコツ③マトリクス表で整理する
タスクの把握と優先順位付けして後は処理するだけなのですが、
処理にかかる時間も考慮しないといけません。
そこで
縦軸:売上への直結度
横軸:処理にかかる時間
に分解し、時間軸も考慮したマトリクス表を作ります。
ⅰ売上の直結度は高く時間がかかる
ⅱ売上の直結度は高く時間はかからない
ⅲ売上の直結度は低く時間がかかる
ⅳ売上の直結度は低く時間がかからない
ⅰ…売上の直結度は高く時間がかかる
ⅰは例えば新規取引先で与信の承認など、
手続きが多いタスクが挙げられます。
もし与信が悪ければ取引信用保険を検討する
などさらに時間がかかります。
私は前金で貰えないか交渉もしてましたね!そっちの方が早い。
ⅱ…売上の直結度は高く時間はかからない
ⅱは代表的なタスクが「リピート注文」です。
見積を出せばすぐ注文書が来るので、
高速で処理しなければなりません。
売上に直結するから急いでやらないとね!
ⅲ…売上の直結度は低く時間がかかる
ⅲは例えば過去の売上をまとめた資料作りなど
社内向けの仕事が挙げられます。
重要な仕事ですが多くの営業マンが嫌がる仕事ですね。
そんなの本社でやってくれ!て良く愚痴るやつ笑
ⅳ…売上の直結度は低く時間がかからない
ⅳは例えば資料を送付する、御礼メールを送る、
訪問する、テレアポする、など
売上に直結はしないがすぐ終わるようなタスクです。
売上に直結してないけど大事なタスクだね
タイムマネジメントのコツ④やらないことを決める
マトリクス表で整理出来たら、
自分がやらなくても良いタスクを探しましょう。
営業職のミッションは売上を最大化することです。
ムダなタスクは思い切って捨てることも大切です。
あるいは翌日に持ち越しても良いかもしれません。
時間は限られているからね。重要なタスクを見極めよう!
タイムマネジメントのコツ⑤人に頼む
マトリクス表のⅲやⅳで、
人に頼めるタスクは思い切ってお願いしましょう。
全社員忙しいのは承知の上ですが、
どうしようもない場合もあると思います。
1人で抱え込まず相談しましょう。
タイムマネジメントのコツ⑥定型作業を効率化する
効率化できる作業のポイントは3つあります。
- 作業工程が毎回同じ
- 人に教えやすい
- パターンが少ない
逆に効率化しにくい作業というのは、
属人的でその人じゃないと出来ない仕事です。
また、工程が複雑なのも効率化しにくいです。
Aの場合は〇〇で、Bの場合は◇◇をして、Cの場合は□□をして、…
このような作業はパターンが多すぎて効率化するのに時間とコストもかかります。
効率化するためには、
- 文章のテンプレートを作る
- 見積のフォーマットを作る
- SFAを導入する
など自分で工夫できることやシステムを使うなどが考えられます。
- Excelの関数を覚える
- Excelのマクロを覚える
- プログラミングを覚える
など営業サイドで効率化出来ることは積極的に学びましょう。
プログラミングも、ソフトウェアが発達し、誰でも簡単に定型作業の自動化が出来るようになりました。
MicrosoftのPower Automate Desktopなど
RPA(Robotic Process Automation)が無料で導入出来るようになり、オフィス業務の効率化を自社で取り組む企業も増えてきました。
慣れるまで少し時間がかかりますが、
出来るようになれば大きな味方です。
スクールなど通えば習得も早いのでおススメですよ。
タイムマネジメントのコツ⑦行動を振り返る
1か月に1回は手帳やタスクノートを見返して、
ムダな動きがなかったかチェックしましょう。
業務と業務の間のムダや、
人に任せれば良かったことなど、
次月に向けて対策を練りましょう。
タイムマネジメント失敗パターン
タイムマネジメントのコツを紹介しましたが、
注意しないといけない点も解説します!
失敗例①不測の対応に追われる
営業をやっていると急な対応も多いと思います。
そうすると予定が狂って結局仕事が終わらないというケースも多いです。
不測の対応は過去データから分析し、
どれくらいの余裕を持っておけば良いか把握しておきましょう!
例えば冬の時期はクレーム数も多くなる
などデータを取っておけば予め対策も打ちやすくなります。
失敗例②生産性ばかり注目している
マトリクス表で、
売上への直結度の高いタスクから処理すると解説しましたが、
直結度の低い動きをおろそかにすると
売上の見込みが段々と無くなってきます。
営業は「種まき」が重要です。
テレアポする、資料を送る、訪問する、
これら地道な活動の積み重ねでお客様との関係が出来ていくのです。
こういった活動を止めるとお客様があなたのことを忘れていき、
競合に入られる隙を与えてしまいますので注意しましょう。
失敗例③残業ありきで考えている
タスクは定時に全て終える前提で処理しましょう。
意識しないといつまで経っても残業は無くなりません。
稼働時間が1日8時間であれば
8時間で全て完了するように意識しましょう。
また、マネージャーの立場であれば、
部下の残業などもチェックして仕事が割り振られ過ぎていやしないか、
注意することも大切です。
まとめ
この記事ではタイムマネジメントのコツを解説しました!
時間を有効に使える人は
プライベートも充実してより楽しい人生を送れると思います!
この記事が参考になれば嬉しいです。
このタイムマネジメント編も少しずつ加筆していきますので、楽しみにして下さい。
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