営業職は、数字で成果を示せるため、スキルの高い営業ほど高年収であることが多いです。
給料が低いと優秀な営業パーソンは辞めますからね…。会社としては年収上げざるを得ない…。
なので、多くの営業がスキルを磨きたいと考えています。
しかし、営業は個々人によってやり方がバラバラで、昔気質な会社だと、ろくな研修もなくいきなり営業やらされて途方に暮れる新卒も多いと思います。
そんな営業始めて間もない人を対象に、必須スキル13選と身に付けるポイントをまとめました!
営業スキルは、スポーツと同じで日々の積み重ねで上達します。
この記事の内容を実践すれば、着実にスキルは上がるでしょう。
筆者は、本業と副業合わせて10年以上営業をやってきました。
その間、営業スキルやマーケティング、経営に関する本も500冊以上読みました。
営業トップも獲ったこともあり、きっと読者の皆さんの参考になると思います。
では、目次をどうぞ。
営業パーソンに必要とされるスキル13選
営業職といっても、業界が違えば商品やサービスも変わりますし、営業戦略も全然違いますが、ここではどの業界でも必要だと思われるスキルとしてまとめました!
ひとつずつ解説します!
プレゼンテーションスキル
プレゼンは、お客様に商品の魅力を伝えるための必須スキルです。
会社によっては複数の業者にプレゼンさせて発注先を決めることもあります。
その場合、プレゼンの出来栄えが成否を分けるので非常に重要なスキルです。
プレゼンのポイントは、AIDMA(アイドマ)の法則を意識しましょう。
- A:Attention 注意を惹きつける
- I:Interest 興味をそそる
- D:Desire 欲求を刺激する
- M:Memory 苦痛な記憶を呼び起こす
- A:Action 購買行動を起こさせる
プレゼンはこのA→I→D→M→Aの順番でストーリーを組み立てます。
例えば、ダイエット食品を例にすると
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こんな感じです。
このAIDMAで重要なのは、Attention(注意を惹きつける)です。
なぜなら、最初に大きく注目を集めないと話を最後まで聴いてもらいにくいからです。
お客さんによってはスマホを触りだしたり、席を立ったりするかも知れません。
このAttentionを出来る限りインパクトのある内容にしましょう!
プレゼンの秘訣については下記記事で解説していますので参考にしてください!
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルとはお互いの思考を言語、非言語を通じて正確に理解し、的確に伝える能力のことです。
コミュニケーションスキルは「言語」「非言語」に分けられます。
- 言語…「言葉」「文字」
- 非言語…「表情」「身振り手振り」「見た目・印象」
言語的スキルは、会話の論理的な流れを理解したり、文章で的確に伝えたりするスキルです。
良く誤解されていますが「外交的な人=コミュ力が高い」という訳ではありません。
お客さんの要望を的確に理解し対応できる人がスキルの高い人です。
また、仕事では使わないかも知れませんが絵文字を使ってマイルドな文章にするなども言語的コミュニケーションスキルです。
非言語的スキルは、笑顔や相槌を打つなど、相手が話しやすい状態を作る、服装など見た目から相手に与える印象にも気を付ける人がスキルの高い人の特徴です。
営業初めて間もない方は緊張もあって上手く喋れないかも知れませんが、まずは非言語スキルから意識してみましょう。
また、お客さんとの会話は、しっかりと聴いてメモを取ると良いです。そうすると頭の中が整理されて的確な回答が出来るようになりますし、メモを取っていると疑問が湧いてきて色々と質問が出来るようになります。
メモがあれば上手く答えられなかったことなど社内に持ち帰って上司に正確に相談することも出来ます。
コミュニケーションスキルは場数を踏むしかありませんが、
営業活動を続けていればおのずと慣れてきます!
コミュニケーションについては下記記事で詳しく書いていますので参考下さい!
長期関係構築スキル
トップクラスの営業パーソンはお客さんと長期的な販売関係を構築し維持しています。
コミュニケーションスキルで関係値を作ったら、それを長く維持できるように努めます。
そうするとより強固な信頼関係を築くことが出来て、次回の受注はよりスピーディに獲得出来るでしょう。そのような顧客が増えれば安定した売上成績を維持できるのです。
また、信頼関係が強固になるとお客さんがあなたを周りに紹介してくれるようになります。
お客さんがお客さんを呼ぶ状態です。
この状態まで到達するためには地道なフォローアップが必須です。
お客さんが購入後、全く挨拶にすら行かない営業パーソンがいますが、そんなことをすれば、お客さんからの信頼が一気に崩れ去るでしょう。非常にもったいないです。
人間は感情で動く生き物ですから、ちょっとしたことで信頼関係が崩れ去ることを忘れないようにしましょう!
信頼関係の構築について下記でコツを解説していますので参考にしてください!
ネゴシエーションスキル・交渉能力
交渉力とは、ゴールの違う2人が納得できる妥協点をさぐり話し合う能力のことです。
ネゴシエーションは、5つポイントを挙げます。
- 相手の言葉にきちんと耳を傾ける
- 相手の立場を理解する
- 相手のパーソナリティに合わせる
- 交渉前の準備を入念に
- 寄り添う気持ちを大切に
①相手の言葉にきちんと耳を傾ける
まずは情報収集をしないと、妥協点を見つけることが出来ません。
話しを良く聞いて、状況を整理しましょう。
一方的にこちらの主張をすることは厳禁です。
②相手の立場を理解する
次に、相手の要求の背景を理解しましょう。
例えば、価格を下げてくれと言われたときに、
もしかしたら、会社の方針でコスト削減を課せられているのか?とか
または、上司が競合製品に切り替えろと指示があったのか?など。
そういった背景を想像し、最適な妥協点を探りましょう。
③相手のパーソナリティに合わせる
相手の性格に合わせて会話を組み立てる必要があります。
もし理屈っぽい人なら数字で示しながら話した方がいいかも知れませんし、
感覚を大事にする人であれば、数字を並べるよりもシンプルな言葉の方が響くかもしれません。
相手によって話す速度なども考慮した方が良いでしょう。
④交渉前の準備を入念に
交渉は複数回行う場合が多いです。毎回の交渉が終わったら次の交渉に向けて情報収集や資料作成など入念に準備して備えましょう。
⑤寄り添う気持ちを大切に
交渉は勝ち負けじゃなく信頼関係を築きながらゴールを目指す技術です。
論破してやろうなどと思うのではなく寄り添う気持ちを大切にしましょう!
ヒアリングスキル・傾聴力
ヒアリングスキルは交渉力にも、コミュニケーションスキルにも直結する営業パーソンにとって非常に重要なスキルです!
ヒアリングの目的としては主に下記の項目を聞き出します。
- お客さんの悩み、困りごと
- 提案した内容ついてどう思っているか?
- 競合についての使用有無、感想など
- 予算額と予算計画を立てるタイミング
- 決済のおおまかな流れと決済者
- 商品を使うことに対する懸念点
もちろん会って間もない人にペラペラと喋ってくれる訳はありません!
雑談も交えながら少しずつ心を開いてもらう必要があります。担当者によっては何回か訪問しないと喋ってくれないケースもあります。
ヒアリングのポイントは、事前のリストアップです。聞きたいことを予めリストアップしてその中から、答えてくれやすそうなものから順に聞いていくようにしましょう。
ヒアリングの秘訣は下記の記事でポイントを解説しています!
タイムマネジメントスキル
タイムマネジメントは、仕事の進め方を管理するスキルです。
営業パーソンの最終ゴールは予算達成ですよね。
そのゴールに標準を合わせてお客さんとの商談をして尚且つ受注しないといけません。
面談時間や、次のアポとの移動時間、納期、予算の稟議スパン、発注時期など、 あらゆる時間を気にしながら進めて、予算を達成しないといけないのです。
顧客先の稟議が1週間かかるとしたら、月末に商談しても間に合わないもんね。
タイムマネジメントのポイントとしては、
予算達成というゴールから逆算して「いつまでに何をすべきか?」整理してみましょう。
このスキルは営業だけでなく、あらゆる職種に共通するものなので非常に大切なスキルです。
クロージングスキル
クロージングとは、お客さんに結論を出させることです。
契約締結させることをクロージングと呼ぶことも多いですが、商談を終了させることもクロージングと言うこともあります。
営業初めて間もない方は、このクロージングが苦手という人が多いです。
なぜなら断られることに恐怖心を抱いているからです。
人間誰しも、断られるのはイヤですよね
しかし、いつまで経っても買うか買わないかハッキリしないということは、その間ずっとフォローしないといけないのでコストも掛かります。時にはストレートに結論を迫ることも必要でしょう。
難しいのは、このクロージングのスキルは正解がありません。
自分が普通に喋っていても、お客さんによっては、この人強引だなという印象をもってしまうこともあります。そうすると折角良い感じで商談していたのに失注したなんてことになりかねません。
そこで、営業初めて間もない方は、まずは、小さなYESを積み重ねるのを意識してみましょう。
イエスセット話法と呼ばれ、「今日は寒いですね」「携帯変えましたか?」などYesが出やすい小さな質問をしてみましょう。
YESを沢山引き出せたら、多少ハードルの高いお願い事もYesと言ってくれる可能性が高まるのです。
また、会話が広がるという効果もあり、人見知りの人でもすぐ使えるのでおススメです。
クロージングについては下記の記事でコツをまとめています!
ネットワーキングスキル・人脈構築術
人脈を作る上で重要なポイントは、「相手に覚えてもらう」ことです。
トップセールスの営業パーソンは人脈をすごく大切にしています。
営業になると、沢山の人と名刺交換しますが、この人誰だっけ?ていうことって自分でも良くありませんか?
関係構築したい人に対しては、名刺交換してから日が経たないうちになるべく次のアポを組んだり、定期的に連絡を取り合ったりして忘れられないようにしましょう。
また、SNSを交換して定期的な投稿をすれば覚えてもらいやすいので活用しましょう!
仮説検証スキル
仮説検証スキルとは、「仮の結論」を設定して、それが正しいかどうか客観的な事実から検証するスキルです。
例えば、新商品をリリースしたけど、どういった業界・職種のお客さんに響くのか分からない、と言った時にも活用できます。
仮説検証はおおきく4つのステップに分けられます。
商品の特性上、〇〇業界の〇〇課の方が喜ぶ商品ではないか?
仮説に当てはまる顧客をリストアップし営業掛けていきます。
営業かけた結果やお客さんの意見などを集計し検証します。
検証結果をもとにまた新たな仮説を立てます。
このように、答えの見えないことに対してアプロ―チを繰り返し、
最適な答えを導いていきます。
競合ブロックスキル
競合排除をするためには、3つポイントがあります。
- 接触面積を増やす
- 競合の不満を聞き出す
- スピード
①接触面積を増やす
接触面積とは、同じ担当者だけじゃなく違う部署、上司、後輩、幅広く当たっていくことです。競合他社はどこから入り込んでくるか分かりません。自分の知らないとこから根回しされて案件を獲られたとか、そういったことが無いように幅広い人と会い、自社をアピールします。接触面積を増やすと、顧客先を深く理解できる、情報通になれる、キーマンを見つけやすくなる、などメリットが多いです。
②競合の不満を聞き出す
競合の商品・サービスの使用感、営業パーソンの評価など聞き込みしましょう。不満に思っている部分があれば、入り込めるチャンスです!また、競合の良い評価も拾って、自社に取り入れたり商品の改善に役立てたりしましょう。
③スピード
営業パーソンの対応スピードは非常に重要です。対応が遅いと悪い評判がすぐに社内に広まってしまいますし、競合に取られてしまいます。見積、提案書など自分側で用意するものは即対応で行いましょう。
スピードを上げるコツとしては、
- フォーマット化する
見積や提案書は、ある程度パターンがあると思いますので、型にしておきましょう。
メールなども定型文は保存しておくなどして素早く返信出来るようにしましょう。
- 周りに協力してもらう
外回りに出ていると、社内でないと出来ないこともあり、翌日に対応する場合もあると思います。私は社内の人に協力してもらって資料を発送して貰ったり、見積を作ってもらったりしていました。その方が圧倒的に速いですね!
- SFA/CRMなどのシステムを導入する
顧客数が増えてきたり、営業の人員が増えてきたりするとExcelで管理するのが難しくなってきます。SFA/CRMなど営業支援ツールを導入することもスピードアップの方法です。営業パーソンがシステムを社内に導入することは中々ないかも知れませんが、どうしてもExcelでは非効率だと思ったら会社に提案してみましょう。
問題解決スキル
プロダクトを販売する営業では、お客様の課題に合わせて商品を提案するスタイルとなりますが、システム開発などのIT業界の営業では、この問題解決スキルが非常に重要になります。
システム開発はいかようにも商品を作れるので、お客さんの課題を深く掘り下げて最適な提案が必要です。
問題解決するにはまず課題を分解しなければなりません。
なぜ?を5回繰り返すと問題の本質的な部分にたどり着くことが出来ます。
また、なぜ?と考えた時に、回答を1つではなく3~5つほど挙げてみるとより視野の広い思考が出来ます。
ぜひ紙に書いて試してみましょう!
ロジカルシンキングスキル
ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理して、その論理的な繋がりを捉え矛盾なく考える思考法のことです。
お客様に提案する際にも、お客様の課題が漏れなく重複なく把握されていて、提案する解決策が論理的に正しいと、説明出来なければなりません。
また営業戦略を立てるときや、営業活動データを分析するときもロジカルシンキングは有効です。 ロジカルシンキングのフレームワーク(3C、4P、SWOT、MECEなど)を活用して訓練しましょう!
Excel操作スキル
スピードアップのコツでも紹介しましたが、最近はSFAやCRMなど営業活動を効率的にするSaaSツールも増えてきました。
会社規模が拡大してきたらこれらを使うのはもちろん大切なのですが、Excelで数字を分析できるようになれば、たとえSFAやCRMがなくても営業活動のムリ・ムダ・ムラを発見出来るようになります。
また、SFAやCRMだとどうしてもパッケージになっているので、細かい部分の分析など痒い所に手が届かないケースも多いです。
その場合、Excelを使えばCSVでデータをダウンロードして自分で分析することも出来ます。
Excelスキルはある意味、問題解決スキルにも繋がるので、慣れておいた方が良いでしょう!
まとめ
営業職に必要なスキルを解説してみました!
テクノロジーの発展で、営業はもう必要ない、というような意見もありますが、筆者としてはそんなことはないと感じています。
嚙み砕いて説明したり、最新の情報を持ってきたり、何かあったらすぐ相談に乗ってくれたりする営業パーソンはどんな時代でも必要とされると思います。
営業の知識レベルはより高度なものが求められているのは間違いありませんが、営業職そのものがなくなることは無いでしょう。
スキルを高め続け、高付加価値な営業パーソンを目指していきましょう。